2019/11/05

【特集】デンマークのデザインスタジオ「FRAMA(フラマ)」クリエイティブディレクター来日インタビュー

デンマークのデザインスタジオ「FRAMA(フラマ)」とは?
元薬局の空間にインスパイアされて誕生したアポセカリーコレクションが日本初上陸!
クリエイティブディレクターのニルスさんに聞きました。


デンマークのデザインスタジオ「FRAMA (フラマ)」クリエイティブディレクター、Niels Strøyer Christophersen(ニルス・ストライヤー・クリストファーセン)さん


家具や照明、セラミックの器など、幅広いデザインプロダクトを手がけるデンマークのデザインスタジオ「FRAMA (フラマ)」のクリエイティブディレクター、Niels Strøyer Christophersen(ニルス・ストライヤー・クリストファーセン)さんが来日。

ネットで見つけたり、購入したりする人も増えているそうで、知名度は日本でも徐々に上昇中のFRAMA。そんなFRAMAのプロダクトがついに日本に上陸。元薬局の空間にインスパイアされて誕生したアポセカリーコレクション「St. Pauls Apothecary Collection(セントポールアポセカリーコレクション)」の上陸を記念して、FRAMAのクリエイティブディレクターのニルスさんお話を聞くために、東京・外苑前の「doinel(ドワネル)」へ行ってきました。

アポセカリーとは英語で「薬剤師」、古い英語で「薬店」という意味。良質で厳選されたスキンケア&ボディアケア、フレグランスといったコスメプロダクトを指します。

空間やインテリア、家具や照明器具、テーブルウェア、さらにはアポセカリーまで、暮らしのあらゆるものを手がけるFRAMA。デザインスタジオ「FRAMA」とは?ものづくりで大切にしていることなど、ニルスさんに聞きました。





今という瞬間を大切に。

可能性があれば、冒険。

――デザインスタジオ「FRAMA」をひと言で言うと?

ニルスさん:
冒険と同じで、旅するように目的地のない冒険。いろんな街に行って、いろんな人に会って、変わりながら続いていくもの。シンプルな言葉で言うとそれがFRAMAですね。

――椅子や照明など、さまざまなデザインを手がけています。アポセカリーはかなりジャンルが異なるように思いますが、どのようにしてアポセカリーシリーズにたどり着いたのでしょうか?

ニルスさん:
私は一つだけを専門的に、ではなく、建築やデザイン、ワールドミュージックやサウンドなど、ジャンルを問わず、さまざまなものに広く興味を持っています。スタートはたまたま家具でしたが、偶然きっかけがあっただけで、そこがゴールではありませんでした。タイムレスなものに興味があります。2011年にテーブルウェアを始めました。白一色で形が異なるセラミックを手がけましたが、それも自然の流れで作ることになりました。ちなみに、2018年はまた2色で6つの異なるデザインを製作しています。

FRAMAは一つの企業ですが、半分は自分たちで、もう半分は外部のデザイナーたちと共同で作業しています。2011年には家具、そしてキッチンを。2016年はアポセカリー。2016年は提案本「ダイアログ(対話)」も作成しました。“対話”はFRAMAにとって、とても大切な言葉です。この本も私たちのプロダクトの一つ。ブランドをまた違う角度から伝える手法として、このような本も製作しています。

――アポセカリーシリーズは、これまでFRAMAが手がけたものとはかけ離れているように思ったのですが、FRAMAにとっては、自然の流れで来たということなのですね。気になったのは、例えば家具などは形が残るものだけれど、シャンプーやフレグランスは消費物、消えていくものです。こういった相反するものを作ったのは何か意図があったのかなと思ったのですが?

ニルスさん:
確かにシャンプーなど中身は消費されますが、ガラスボトルは残りますし、棚とのコントラストも考えているので、その佇まいは失われないものだと思います。なので、消えていくものという意識はないですね。あえてジャンル分けをして製作したつもりは全くなく、自然の流れで手がけてきたので、私にとってはどれもこれも、“FRAMAが手がけたもの”という感覚です。

――なるほど、ジャンルを意識しないものづくり。ニルスさんがデザインする時に大切にしていることは何ですか?どういったことに気をつけてものづくりをしていますか?

ニルスさん:
正直でわかりやすいこと。ナチュラルであること。シンプルで純粋であること。“それ以上でも、それ以下でもない”ということですかね。あと、“今”の瞬間を大切にしています。


元薬局の空間にインスパイアされて誕生した「St. Pauls Apothecary Collection」。ラインナップは、ハンドケア、ボディケア、ヘアケア、フレグランス。


――アポセカリーシリーズを通じて日本初上陸のFRAMAですが、日本での販売をどう感じますか?

ニルスさん:
2011年から建築家の芦沢啓治さんと一緒に家具を作っているので、すでに日本との繋がりはありました。上陸に関しては、とてもエキサイティングで嬉しく思っています。日本とはとても合うと思っていて。私たちは、正直さ、純粋さ、普遍的であることを大切にしています。日本の人は質の違いがわかり、敏感。私たちの作ったものを理解してもらえる気がします。

――日本人の感覚を鋭く分析されているニルスさんですが、ご自身のデザインに、日本からの影響があると感じますか?

ニルスさん:
そうですね、自然と日本の何人かの建築家の影響は受けていると思います。日本には常に、感謝や尊敬の気持ちがありますよね。受け継ぐ心が残っていて、自然に感謝しつつ、何かを継続していくという大切な精神が息づいている国だと。シンプルなものに敬意を払っているところが素晴らしいと思います。

――これだけ国際社会になってきて、色んな文化がミックスされているにも関わらず、昔から変わらないものがずっと残っているというところに着眼してくださいました。今、私も「なるほど」と気づかされました。

それでは最後に、今後のFRAMAの展開や、現在手がけているものがあれば、こっそりと(笑)教えていただけますか?今後挑戦してみたいことなどもあればぜひ!

ニルスさん:
現在進行しているプロジェクトは、まだ時間がかかりそうですが、京都の紙職人さんとの企画や、日本の木からインスパイアされた香りを作っている最中です。新しい香りの開発です。あとはやはり、今あるものをもっと広げていきたいですね。強いていえば、手がけてみたいのはメガネ、アイウェアかな。

――インテリアの次はファッションも?

ニルスさん:
んー、メガネを“ファッション”とか、ピアスを“アクセサリー”とかいうカテゴリーは私たちの中にはないのです。アポセカリーシリーズも、“コスメプロダクト”を作っていると思っていなくて。ジャンル分け、カテゴリー分けしないスタイル。何かいろいろ手がけているデザインスタジオだなと思われるかもしれませんが、私たちにとって全てが“FRAMAのプロダクト”。境界線がないのです。



天然素材、シンプルなフォルム、年齢も性別も関係なく使えるユニバーサルなもので、タイムレスな存在になることを意識。常に誠実で正直であろうとする姿勢がFRAMAの特徴。

北欧をはじめ、ヨーロッパでショップ兼スタジオを持つFRAMAですが、日本はもちろん、アジアにもまだショップ兼スタジオはありません。プロダクトの種類云々より、フィーリング、精神的な部分でわかりあえるところが、デンマークと日本にはあるとニルスさん。だからこそ、日本でFRAMAのコンセプトが受け入れられると考えているそうです。次はどんなものを披露してくれるのでしょう。今後のFRAMAの展開が楽しみです。



【FRAMA(フラマ)】
クリエイティブディレクター、Niels Strøyer Christophersenを中心に、2011年に設立したデザインスタジオ。ホテルや商業施設のインテリア、家具・照明器具・テーブルウェア、そしてアポセカリーまで、ライフスタイルにまつわるデザインやプロデュースを行う。スタジオと店舗は、コペンハーゲンの中心部にある歴史的保護地区・ニューボーダーに隣接する建築で、1878年創業の元薬局「St. Pauls Apotek」に構える。現在コペンハーゲンのほか、パリ、ハンブルク、ストックホルム、オスロ、メキシコシティ、バルセロナでショールームを兼ねたスタジオストアを展開中。https://framacph.jp/ Instagram:@framacph_jp


元薬局 St. Pauls Apotekを改装したスタジオストア。


「St. Pauls Apothecary Collection」はイタリア製ガラスボトル入り。(詰め替え用はプラスチック容器)

<St. Pauls Apothecary Collection>
2016年にローンチしたハンドケア・ボディケア・ヘアケア・フレグランスをラインナップするアポセカリーコレクション。FRAMAがスタジオと店舗を構えるコペンハーゲンの古い薬局にインスパイアされて誕生しました。すべての製品開発はコペンハーゲンのスタジオで行っています。コレクションの特徴のひとつは、ピュアでさわやかな香り。「薬局」「ミュージアム」「寺院」といった場所や建物、旅の記憶から着想を得て調香されています。コレクションはイタリア製ガラスボトルに入っており、佇まいも美しい。


代表作:Adam Stool/Triangolo Chair/Rivet Box Table

<Permanent Collection>
Permanent Collectionは、さまざまなデザイナー、職人、建築家によってつくり出された、アートとプロダクトの境界線にあるデザインのオブジェクトや作品のセレクション。


<FRAMAのPOP UPイベント開催中>
FRAMA POP UP STORE @doinel
会期:2019年10月18日(金)~11月12日(火)水休
会場:doinel(ドワネル)
東京都港区北青山3-2-9
http://www.doinel.net
※「St. Pauls Apothecary Collection」は、10/18よりdoinelにて先行発売後、11月より順次全国にて発売。

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