2022/05/10 今日は「フィンランド」よりこんなニュースが届きました!

フィンランドのフォルッサにテキスタイルデザインセンター「クオシケスクス」開館






写真提供:クオシケスクス

フィンランド・ヘルシンキから北西に130キロメートル(車で約1時間強)ほど行ったところに、プリントテキスタイルの故郷と呼ばれるフォルッサ(Forssa)市がある。そのフォルッサにて、4月30日、プリントテキスタイルデザインセンター「クオシケスクス(kuosikeskus)」がオープンした。

フォルッサには、2つのミュージアムスポットがあり、1つは町の歴史を伝える「フォルッサ博物館」、2つ目はかつての工場の従業員たちの生活を伝える「ロンッティスマキ博物館」があり、今回3つ目として新しく加わったのが「クオシケスクス」になる。

別名“コットンビレッジ”とも呼ばれるフォルッサは19世紀半ば、綿製糸工業で始まり、フィンランド初のテキスタイルプリント工業が行われた町。クオシケスクスでは、フォルッサで始まったフィンランドのプリントテキスタイル史を学ぶことができる。

1930年代にはフィンレイソン社と合併、フィンレイソン・フォルッサとなり、それまで織物のテキスタイルのみを生産していたフィンレイソン社は、フォルッサでテキスタイルプリントの生産をスタート。衣服からカーテンといったインテリア用の生地まで、現在も愛され続けているデザインは、フォルッサのプリント工場併設のフィンレイソンのデザインスタジオから生まれている。

1950年代以前から1990年代初期のテキスタイルがびっしりとディスプレイされているカラフルな館内は、デザイナーや原画、テキスタイル見本などを紹介。専門家からテキスタイル好きまで、また、さまざまな年代も楽しめる構造になっている。テキスタイル技術の発展や歴史、理論に触れるだけでなく、布の構造を知ったり、色や模様を組み合わせたり、プリント機械を実際に手で回して学ぶことができるなど、実際に手で触れて学習できるところが大きな魅力。

50年代のコーナーは、流行だった腰の部分を締め、スカートをふわりとさせるファッションをイメージしたテキスタイルの展示。ミニスカートが流行した60年代はプリント技術が発達。染色も鮮やかに。70年代は住宅事情が変わり、マンション住まいが増え、大柄な花のデザインなどが流行。海外からの安価なテキスタイルに対抗した時代。80年、90年代は素材が多様化。アウトドア用の生地の生産が増加した。

また、クオシケスクスの重要な役割は、展示だけでなく、原画やサンプルを保存・保管、展示、研究する場所でもあること。研究室はいつでも湿度と温度が保たれており、布、デザイン原画などが所蔵されている。

ヘルシンキから足を伸ばしやすいアクセスも良い立地にあるクオシケスクスは、フィンランドの新しい名所の一つになりそう。

▼Forssan museo クオシケスクス HP(日本語あり)
http://www.forssanmuseo.fi/

■フォルッサの町の紹介動画
Forssa - Asu aidosti kaupungissa 2019
https://youtu.be/E677beh2zIg

■プリントテキスタイルデザインセンター「クオシケスクス」紹介動画
https://youtu.be/iE2N6LQoYT0


北欧ニュース編集員


現地で行われたオンライン記者会見では、映像を通じても、ものすごいボリュームのテキスタイルが所蔵されていることがわかりました。まだ眠っているテキスタイルもあるそうなので、時期によって展示が変わる可能性もありそう。
日本で巡回中のフィンレイソン展では、クオシケスクス所蔵のオリジナルテキスタイルやデザイン原画も出展されているそうですよ。

オープン早々、テキスタイル関係者も一般の方も多く来館しているとのこと。会場で紹介されているデザイナーさんたちも来館しているそうですよ。また新たな気になるスポットが誕生しましたね!緑豊かなフォルッサへ!

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