2018/05/15 今日は「スウェーデン・デンマーク・アイスランド」よりこんなニュースが届きました!

今年はコンペ部門外のあちこちで、注目の北欧作品が続々上映!第71回カンヌ映画祭


(c) FDC / Philippe Savoir (Filifox)

現地時間の5月8日より、世界三大映画祭の一つである「第71回カンヌ国際映画祭」が、フランスのカンヌで開催中。最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門には21の作品が出品され、日本からは是枝裕和監督の『万引き家族』と、浜口竜介監督の『寝ても覚めても』がノミネートされ、話題になっている。

昨年は、日本でも劇場公開されたばかりのスウェーデンのリューベン・オストルンド監督作『ザ・スクエア 思いやりの聖域』が最高賞のパルムドールを受賞。今年のコンペ部門には北欧の作品のノミネートはなかったものの、他のさまざまな部門で注目すべき北欧の作品が出品されている。

ある視点部門では、デンマークのAli Abbasi監督によるスウェーデン・デンマーク合作映画『Grans(Border)』が上映されている。スウェーデンの作家、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説が映画化されたもので、小説『MORSE -モールス-』原作者であり、自ら脚本を担当した映画『ぼくのエリ 200歳の少女』と同じく、本作でも脚本を担当している。

アウト・オブ・コンペティション部門では、Joe Penna監督による『Arctic』(アイスランド)が上映された。
北極で孤立した一人の男が、とどまって救助を待つか、決死のトレッキングに出発して助けを求めにいくか、究極の選択を迫られる物語。主演は北欧の至宝、マッツ・ミケルセン。

デンマークのラース・フォン・トリアー監督作も久々にカンヌ映画祭に登場。アウト・オブ・コンペティション部門で上映される最新作『The House That Jack Built』(デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ)は、1970年代のアメリカが舞台となった物語で、12年以上にわたり殺人鬼となっていった主人公をマット・ディロンが演じる。

カンヌ・クラシック部門では、イングマール・ベルイマン生誕100周年を記念して、ベルイマンを敬愛するドイツ人監督Margarethe VON TROTTAによる『SEARCHING FOR INGMAR BERGMAN』(ドイツ/フランス)が上映される。新しい世代の監督も登場しており、前述の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』のリューベン・オストルンド監督や、『イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優~』のスティーグ・ビョークマン監督自身も出演。

また、カンヌ映画祭オフィシャルセレクション以外でも、カンヌにて9日から17日まで開催されている第57回国際批評家週間のコンペ部門で、東京国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した『馬々と人間たち』のベネディクト・エルリングソン監督作『Kona fer i strid(Woman at War)』(アイスランド/フランス/ウクライナ)が上映される。待望の長編2作目に期待がかかる。


第71回カンヌ映画祭(5月8日~19日)
https://www.festival-cannes.com/
第57回国際批評家週間(5月9日~17日)
http://www.semainedelacritique.com/

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北欧ニュース編集員


カンヌ映画祭は最高賞のパルムドールを競うオフィシャルセレクションのコンペ部門に一番の注目が集まることは間違いないと思いますが、それ以外の部門や、若手・新人監督の登竜門的な国際批評家週間での上映もまた、見逃せない作品が集まっています。
日本での劇場公開、映画祭で見られる日が待ち遠しい!

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