2017/06/27

【特集】フィンランドのレザーバッグブランド「LUMI」デザイナーインタビュー インテリア ライフスタイル(後編)

有名ブランドに在籍経験のある国籍の違う2人が立ち上げた
フィンランドのレザーバッグブランド「LUMI」に迫る!



2000年にNYで誕生したレザーバッグブランド「LUMI(ルミ)」。LUMIは、フィンランド語で「雪」を意味します。すでにヨーロッパを中心に、世界20ヶ国以上で取り扱われているLUMIが、今年の秋冬コレクションより、日本に正式に上陸を果たします。

LUMIは今回、国際見本市「インテリア ライフスタイル」に初出展。アトリウムのほぼ中央に構えたLUMIのブースにディスプレイされた美しい色彩と上品でナチュラルなラインナップは、たくさんの来場者の目を引いたよう。

ブランドを立ち上げたのは、フィンランドからアメリカへ渡り、NYでラルフローレンのバッグデザインを担当していたフィンランド人デザイナーのサンナ・コントラさんと、フランスからアメリカへ渡り、ティファニーの時計のアートディレクターをしていたフランス人のブルーノ・ボーグランさんの2人。

世界のトップブランドで経験を積んだ国籍の違うデザイナー2人が作った「LUMI」というブランドついて話を聞きました。


自然を意識したものづくりがテーマ
ナチュラルで、ストーリーのあるものを

シンプルでカラフル、品を感じるLUMIのプロダクト。サンナさんとブルーノさんにとって、LUMIの特徴、魅力はどんなところにあるのでしょう?「エコフレンドリーでカラフル。ファッション性、デザイン性が高いというのが特徴です。すべてのデザインには意味がある。無駄なものはないですね」とブルーノさんが言うと、「実用的で機能的。それはフィンランドのライフスタイルの一部でもありますね」とサンナさん。

ただ可愛くて素敵だからで作っているのではなく、LUMIの根底にあるのは、「自然とのつながり」や「美意識」。レザーをなめす時に使われるのは植物性のタンニン。常に環境のことを意識しています。ちなみにLUMIで主に使われる革は羊と牛。一部ヤギのレザーも使われています。

バッグからスタートしたLUMI。バッグ以外にもレザーTシャツやジャケット、ベルト、ブレスレット、靴といったファッションアイテムのほか、新しいカテゴリーとしてアロマキャンドル、スキンケア製品もスタート。スキンケアはかなり異なるジャンルですが、オーガニックでサステイナブル、自然を意識した製品づくりはLUMIのテーマでもあります。テーマに沿ったものであれば、今後もレザーだけでなく、幅広いラインナップが期待できそう。

もちろん、スタートはバッグ。ラルフローレンのバッグデザイナーだったサンナさんは、すでにバッグを手がけていましたが、それはとても商業的なもの。同じプロダクトでも、よりナチュラルなものを作りたい。真っ白な雪、LUMIのようなキャンバスに、自分たちの手でイチからストーリーを作り始めたのです。


会場では、財布、名刺入れといった小物系、日本人好みのシンプルなミニポーチから、たっぷり入るバッグまで、サイズも質感もさまざま。封筒型の長財布は札入れとしてだけでなく、パスポートや航空券を入れたりと、マルチに使えそう。(ガマ口タイプの小銭入れシリーズ)「オーロラジュエリーパース」がちょこんとくっついたパンプスもユニーク。


2007年に拠点をNYからフィンランドへ
バッグを通じてLUMIの「考え方」を伝えたい

一つのバッグを作るとき、サンナさんはデザイン、ブルーノさんはトレンドや商品マーケットなどをチェックしたりと、それぞれの持ち場はあれど、たくさん話し合いを重ねてスタッフと一緒にチームで作りあげていくそうです。

過去に務めていたトップブランドでの知識や経験はやはり大きな影響があるのかどうかを問うと、「ずいぶん前だから」と笑うサンナさん。「すでに知られているブランドは歴史があって、それに沿ったものづくりをすることになるけど、LUMIは何もないところから作り上げなければならない。LUMIでは単にバッグを作っている会社というより、バッグを通じて考え方を伝えたいという感じかな」とブルーノさん。

なんでも、バッグだけでなく見せ方にも、ものすごくこだわりがあり、什器も自分たちで作っています。それらに使われているのは、LUMIを象徴する白いスチール、ウッド、レザー。LUMIの美意識をディスプレイ全体で表現したいという2人の思いが込められています。

サンナさんとブルーノさんにはお子さんが2人。2007年にNYからヘルシンキに拠点を移した理由は、フィンランドの生活水準の高さ、学校教育など、子供たちのこと、家族を思ってのことが大きいよう。現在はヘルシンキを拠点に活動しています。

「ヘルシンキを歩いていると、環境、建物や壁でさえ、その質感からインスパイアされたりすることもあるよ」とブルーノさん。サンナさんも「フィンランドはデザインの国でもありますからね」と、フィンランドでの暮らしはLUMIのデザインや考え方に大きな影響を与えているようです。


レザーバッグが中心ですが、スキンケアやアロマキャンドルなども展開。アロマキャンドルはそれぞれ「Koivu(春)」「Suvi(夏)」「Ruska(秋)」「Lumi(冬)」と、季節にちなんだネーミングが付いています。「ケースも捨てずに使ってもらえるように」と、小さな可愛い編みカゴにもこだわりました。フィンランドらしい雰囲気で贈り物にも喜ばれそう。バンドのブルーはLUMIのテーマカラー。実はそれぞれのバッグの中の生地にもブルーが使われています。


数あるバッグ、プロダクトの中で、
良いものを選ぶために大切なこと

日本には海外のファッションバッグブランドがすでにたくさんあって、さらに国内のものもあります。数多くある中で、どうすればより良いバッグ、プロダクトに出会えるのか、どんな風に選べばよいのかを聞いてみました。

ブルーノさんは、「その製品がリスペクトできるものかどうか、使う前や使った後も。環境に良いものかどうか、という点を考えることが大切」だと考えます。「機能的かつ、持続可能かどうか、そういうことを踏まえながら選ぶことがポイント」とも。「LUMIではとにかくゴミを作らないものづくりを目指しています。プラスチックはスキンケアのポンプ部分だけ(笑)」とブルーノさん。

フィンランド発のブランドでレザーバッグを作る会社は珍しく、海外の見本市に出展しても、レザープロダクトを扱ったフィンランドの企業としてはLUMIだけ。フィンランド国内では、最も知られているレザーバッグのブランドです。

マリメッコなどフィンランド国内のトップブランドとのコラボレーションも実現。ヘルシンキのデパート「STOCKMANN」のバッグ売り場では、マリメッコの隣にLUMIのshop in shopが展開されたりと、ますます目が離せません。LUMIという真っ白なキャンバスに、どんな色をのせていってくれるのでしょうか。日本での展開も楽しみです。



LUMI
https://lumiaccessories.com/
https://www.facebook.com/lumi.japan/(日本)
https://twitter.com/lumi_japan(日本)
https://www.instagram.com/lumifinland/

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