2014/10/26

【特集】「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」、ついに巡回スタート!

10月23日より、横浜のそごう美術館にてスタートした
「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」。
ムーミンも登場!オープン前日に行われた開会式の模様、
ソフィア・ヤンソンさんへのミニインタビューもお届けします。



(トーベ・ヤンソンの姪にあたるソフィア・ヤンソンさん、ムーミンといっしょに)


10月23日より、横浜のそごう美術館でついに開催!
「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」

「ムーミン」シリーズの生みの親として世界中で愛されるトーベ・ヤンソンの生誕100周年を記念した展覧会「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」が、横浜のそごう美術館にて23日より開催。フィンランドの国立アテネウム美術館にて今年3月14日から9月7日まで開催され、母国でも大きな反響のあったトーベ・ヤンソンの大回顧展が、約1年を通じて国内5ヶ所を巡回します。

展覧会開催にさきがけて、そごう美術館では22日に内覧会と開会式が行われました。開会式には、そごう美術館長らが挨拶。マヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使は、「3月にヘルシンキでこの展覧会を見る機会があり、日本で再びトーベ・ヤンソンの世界を体験できるのを楽しみにしていた」と話し、そごう美術館をはじめとする日本5ヶ所でこの回顧展を紹介できるというのは、すべてのフィンランド人にとって誇りであると、日本開催の喜びを述べました。

 

展覧会は、1章から6章で構成されており、幼少期に描いたものから、トーベにとって師であり恋人でもあったサム・ヴァンニから影響を受けた絵画や、スウェーデン語系の政治風刺雑誌「ガルム」の表紙絵といった作品がずらりと披露されています。その「ガルム」の挿絵のサイン代わりとして描いていた小さなキャラクターがムーミンのはじまり。そのキャラクターに「ムーミントロール」と名づけ、戦時中に書いたのが『小さなトロールと大きな洪水』。その小説のシリーズは全9巻に及びました。

それら小説の挿絵はもちろん、連載コミックの習作と印刷見本を並べた展示も見事。抽象的な絵画からは、画家として挑戦し続けるトーベの姿勢がうかがえます。トゥーリッキ・ピエティラと共に制作したムーミン物語の立体模型も見逃せません。

そして有名になったムーミン作品にとどまらず、「不思議の国のアリス」といった他作家の小説の挿絵の仕事や、ムーミンキャラクターを描いた保育園や小児科病院の壁画、ムーミンの舞台劇やオペラ、テレビアニメシリーズなど、多角的な仕事ぶりに驚くばかり。作品は全部で約400点。見ごたえある内容です。

家族や近い人々が撮りためた写真資料や、トーベ関連書籍コーナー、トーベが夏を過ごしたというクルーヴ島の「夏の家」の再現モデルも特別展示されています。さらに出口付近のコーナーでは、ムーミン谷の住人に変身!お気に入りの小物を身につけて楽しんでみてはいかがでしょう。

 

芸術家としてのトーベ・ヤンソン
類まれなる色彩感覚にも注目


今年はトーベ・ヤンソン生誕100周年ということで、母国フィンランドや世界中でさまざまなイベントが催されている中、トーベの姪であり、ムーミンキャラクターズ社社長を務めるソフィア・ヤンソンさんは、「今年に入ってから、フィンランドでもトーベ・ヤンソンに対する印象が変わった」と感じているそうです。

フィンランドでもムーミンのイメージが強いそうですが、今年に入ってから、トーベ・ヤンソンは偉大なる芸術家として認識されるようになったとか。「これまであまり知られなかった絵画、特に見てもらいたいのは油彩。さらには、ガルムの表紙絵や、撮影されることを意識し、それを芸術作品に転換していった写真など、多面的な才能を持つ“芸術家としてのトーベ”を見てほしい」とソフィアさん。

ちなみに、ガルムの表紙はほぼ、トーベ自身がテーマから構図などを自由にデザインしていたそうです。サイズや色の制限はあったものの、計算しつくされた色彩や空間の使い方がなんとも美しい。「白黒の濃淡で表現してみたり、膨大な量の色を使ってみたり。トーベは使う色が少なくても多くても、その中で美しい作品に仕上げることができる人」と、トーベの類まれなる色彩感覚についても話してくれました。

こんな作品も・・・!驚きと発見は、ぜひ展覧会会場にて。展覧会限定グッズが並ぶミュージアムショップも要チェックです。

展覧会「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」は、そごう美術館を皮切りに、ほか全国4ヶ所を巡回。そごう美術館は11月30日まで開催中。

 

生誕100周年 トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~

主催:そごう美術館、朝日新聞社、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)、FMヨコハマ
後援:フィンランド大使館、神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会
協賛:エプソン販売㈱、日本写真印刷㈱、㈱そごう・西武
協力:フィンランド国立アテネウム美術館、㈱タトル・モリ エイジェンシー、フィンエアー、
フィンエアー・カーゴ、㈱河出書房新社、(公財)ギャラリーエークワッド、㈱講談社、
S2㈱、オルビス㈱、㈱フォーシーズンズプレス

【巡回スケジュール】※会期・会場は変更となる場合があります。
2014年10月23日(木)~11月30日(日) そごう美術館(横浜市)
2014年12月13日(土)~2015年2月15日(日) 北海道立帯広美術館(帯広市)
2015年2月28日(土)~5月6日(水・祝) 新潟県立万代島美術館(新潟市)
2015年5月23日(土)~7月5日(日) 北九州市立美術館 分館(北九州市)
2015年7月25日(土)~9月27日(日) あべのハルカス美術館(大阪市)

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【参考記事】
10月より国内を巡回!大回顧展「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」
【特集】「生誕100周年トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」、ついに巡回スタート!
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