2006/01/13

ノルウェーの町や景色も登場!映画『家の鍵』特集

15年の空白を経て初めて出会った
父と息子の心の旅路を描いた作品

『家の鍵』(原題:LE CHIAVI DI CASA)

苦しいけど、そばにいたい・・・
同じ鍵で、心の扉は開けられるのか?

ストーリーあらすじ:

若き日、出産で恋人を失ったジャンニは、生まれてきた我が子も手放してしまったため、15年間一度も息子に会ったことがない。ある夜、ジャンニは息子・パオロの伯父アルベルトに呼び出され、ベルリンのリハビリ施設にパオロを連れて行くよう説得される。
「父親に会えば奇跡が起こるかもしれない」と言うアルベルトに、いまさらなぜ・・・?と戸惑うジャンニだが、ついに15年間という歳月を経て息子と出会うことになった。

障害を持った息子パオロと出会ったジャンニは、初めて息子と向き合い、戸惑いを隠せない。徐々に自分に心を許してくれていると喜んでいると、突然パオロは態度を急変させジャンニを突き放そうとしたり、暴れたりする。パオロのために懸命に向き合おうとする父親ジャンニと、表面的には明るく振舞いながらも、心の中には寂しさと不安を抱える息子パオロ。不器用にぎこちなくも、少しずつ心を通い合わせていく親と子の絆が繊細に描かれている。

舞台はドイツ・ミュンヘンからベルリン、そしてノルウェイ(ここでは「ノルウェイ」と表記)の町にまで移っていく。ノルウェイに向かう船の中での二人のはしゃぎぶり、徐々に近づいてくる未知のノルウェイの町に心躍らせながらも、どこかまだか細く、ぐらぐらと揺らぐ二人の絆。もっと強い絆を育もうともがく二人の姿に、釘付けになるに違いない。

 肉親との血の繋がり、偶然出会った人との繋がりを、
力強くあたたかく、そして繊細に描いたアメリオ監督

イタリア映画界の名匠ジャンニ・アメリオ監督最新作「家の鍵」は、第61回ヴェネチア国際映画祭で高い評価を受け、三部門を受賞し、イタリア国内で65万人の動員の大ヒットを記録。第77回アカデミー賞イタリア代表作品、イタリア映画祭2005オープニング作品として上映され大評判を呼び、日本国内でも公開が熱望されていた作品である。

若い父親ジャンニを演じるのは『アパッショナート』の美男俳優キム・ロッシ・スチュアート。各映画賞・主演男優賞にノミネートされ、演技派としての地位を確立している。ジャンニとパオロが同じ施設で出会い、障害を持つ娘の母親役ニコールを演じたのは、名女優シャーロット・ランプリング。優しく慈愛に満ちた表情の中に、時折見せる苦悩の表情・演技が非常に印象的。そしてパオロ役には、本作映画初出演のアンドレア・ロッシ。オーディションなどで選ばれたわけではなく、水泳競技会に出場していた彼を姿を見たスタッフによって、今回大抜擢された。三人の見事な名演技もまた見どころのひとつだ。

マーブル・プラススタッフより『家の鍵』の見どころ:

 

パオロ役のアンドレア君の演技に感動!

親と子の絆を描いた物語というのは他に何作もあると思いますが、この『家の鍵』は、とてもシンプルに父親と息子の心のやりとり、もどかしさが表れている作品だと思いました。

また、運転しても運転しても景色に変化のみえないノルウェイの風景が、「あぁ、やっと心が通い合ったかと思ったのに・・・また振り出しかも・・・」と思わせる二人の行き場のない心情を表しているようでした。

ちなみに、パオロが「ガールフレンドだ」というノルウェイに住む可愛い女の子に会いに行くために、ジャンニと二人でノルウェイへ行くシーンなどで、ノルウェイの海辺の町や景色、学校などが登場しますよ。ぜひチェックしてみてくださいね☆

ご覧になった方からの感想:

■3/30、イタリア文化会館での試写会を楽しんできました。 障害のある息子と初めて対面する父親のとまどいや葛藤が 丁寧に綴られていて、感動するのと同時に考えさせられました。 家族がハンディキャップを負った時、誰でも最初は介護に慣れているわけでもなく、そこから重く長い旅が始まるんだなぁと。 それでもラストでの息子の言葉には希望の光が感じられます。 ちなみに映画終了後に駅へ戻る道はちょうど桜が満開で優しい気分になりました。この度は本当にありがとうございました。今後もMarble-Plusを応援しています。
(MNさん)

■すごく胸にずーんとくる映画でした。障害児のことを扱う映画ってとても難しいと思うのですが、この映画はとってもシリアスに、家族の感情をきれいにしすぎず描ききっていたと思います。主人公の男性が繊細ですてきなタイプで、そういう配役をしているところも、いろいろメッセージが感じられるなあと思いました。
(千鳥さん)

 『家の鍵』(原題:LE CHIAVI DI CASA)

監督:ジャンニ・アメリオ『小さな旅人』『いつか来た道』
脚本:ジャンニ・アメリオ、ステファノ・ルッリ、サンドロ・ペトラリア
出演:キム・ロッシ・スチュアート/アンドレア・ロッシ/シャーロット・ランプリング
2004年/イタリア/111分
配給:ザジフィルムズ
詳細は http://www.zaziefilms.com/ienokagi/index.htmlをチェック!

『家の鍵』は、2006年4月8日(土)より、岩波ホールにてロードショー!!(他全国順次公開予定)
岩波ホールのホームページは http://www.iwanami-hall.com/

このページの先頭へ