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【映画】解説・音楽、一切無し。映像で本質を見せるドキュメンタリー『GUNDA/グンダ』(12/10公開)




本日はこちらの映画をご紹介!“最も革新的なドキュメンタリー作家”と呼ばれる、ロシアのヴィクトル・コサコフスキー監督の最新作『GUNDA/グンダ』(ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開)です。

ロシアの監督によるドキュメンタリーですが、撮影地がノルウェー郊外。第93回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ショートリスト選出、第70回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門正式出品など、世界中の映画祭を席巻している作品で、ナレーション無し、人工的な音楽を一切入れず、迫力の立体音響で展開される話題作。母ブタのGUNDA(グンダ)と農場に暮らす動物たちの日常にフォーカスしたモノクローム作品です。



次第に入り込んでゆく、農場の日常の暮らし。
次は何が起こる?想像力を刺激する映像美。


ノルウェー郊外のある農場で暮らす母ブタのグンダ。乳を求めて群がるのは、生まれたばかりの子ブタたち。一本脚のニワトリは力強く地面を踏み締め、ウシの群れは大地を駆け抜ける。

地球を共有している生き物たちにまつわる映画を作りたいと思っていたコサコフスキー監督ですが、なぜ、ブタのグンダたちの映画を撮ろうと思ったのでしょうか?

それは、リサーチのためにノルウェー郊外を訪れた際のグンダとの出会いから始まりました。「私たちの“メリル・ストリープ”を見つけた」とプロデューサーに話したのだそう。

ナレーションも字幕も音楽も入れず、動物と自然音のみにした理由は、「制作者の感情を排除し、動物たちの息遣いやどのようにコミュニケーションをとるのかを見せたかった。音楽を使わないという決断もとても重要だった」と監督。

また、「カメラの力で何ができるかチャレンジした」と、映画の原点に立ち返り、立体音響と研ぎ澄まされたモノクロームの映像で本質に迫り、生命の鼓動を捉えたカメラワークで作り上げました。





実は、この企画は、イルカやパンダといった可愛らしい見た目の動物たちの映画ではなかったため、資金調達に苦労したそう。30年近くかけて、ノルウェーの映画制作会社Sant&Usantがリスクを冒して製作を引き受けてくれたといいます。この映画は、「監督として、そして人間として作った映画の中で最もパーソナルで重要な映画」という、監督にとって強い思い入れのある作品に仕上がっています。

そんな『GUNDA/グンダ』に惚れこみ、エグゼクティブ・プロデューサーに名乗りを上げたのは、『ジョーカー』で第92回アカデミー賞主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックス。名優をも魅了した本作は、各国の映画祭で大きな話題となり、これまでに国内外の映画賞で100以上の賞を受賞しました。



名女優になぞらえて表現した「私たちの“メリル・ストリープ”を見つけた」という監督の言葉。とても説得力のある言葉で、あふれんばかりの母性で健気に真摯に子育てをするグンダの姿に胸が熱くなります。

そんな農場での時間の流れにすっかり慣れてきた矢先に、突如やってくるある出来事。農場にとって日常の出来事に、こんなに心を揺さぶられるとは……。

モノクロームの光と影の美しい陰影、鳥や虫の声、草がこすれる音、雨音など、耳に心地よい音にあふれる作品。ノルウェー郊外の農場が舞台となった、究極の映像体験ができる映画『GUNDA/グンダ』は、12月10日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開!



GUNDA/グンダ
監督:ヴィクトル・コサコフスキー(『アクアレラ』)
エグゼクティブ・プロデューサー:ホアキン・フェニックス
プロデューサー:アニータ・レーホフ・ラーシェン
共同プロデューサー:ジョスリン・バーンズ
2020年/アメリカ・ノルウェー合作/93分
配給:ビターズ・エンド
https://bitters.co.jp/GUNDA/

© 2020 Sant & Usant Productions. All rights reserved.

2021年12月10日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー



(2021年11月23日更新)
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