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【映画】常に“ほろ酔い状態”だと、人生うまくいく?マッツ主演『アナザーラウンド』(9/3公開)




本日は、9月3日より、新宿武蔵野館やヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント他にて全国順次公開されるデンマーク映画『アナザーラウンド』をご紹介します!

第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出され、第93回アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞するなど、世界中の映画祭を席巻。北欧の至宝、マッツ・ミケルセンとトマス・ヴィンターベア監督の『偽りなき者』コンビによる話題作が、この秋から、いよいよ日本で上映されます。

過去に来日した際には、飾らずチャーミングな素顔を見せてくれたマッツ・ミケルセン(生マッツ氏、本当に素敵です。また安全な世界になったら日本にも来ていただきたいですね!)。そのマッツと親しく、プライベートでも近所に住んでいるという、仲良しのトマス・ヴィンターベア監督との再タッグ。これは期待しかない!



常に“ほろ酔い状態”が、ベスト!?
いい大人が真剣に、ある仮説に挑む。

仕事も自宅でも張りを感じることがなく、繰り返される毎日を過ごしていたマッツ演じる高校教師マーティンは、3人の教師仲間とともに、ノルウェー人哲学者のフィン・スコルドゥールの、「人間は血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと、リラックスした状態になり、気持ちを大きく持つことができる。そして、体にやる気と自信がみなぎり、人生が向上する」という仮説を、身をもって証明しようとします。

この哲学者の理論を証明するためには、仕事中に一定量の酒を飲み、常に、ほろ酔い状態をキープし続けなければならないのですが、果たしてうまくいくのでしょうか。

実験開始後、驚いたことに、気分が向上し、ギクシャクとしていた妻との関係が良くなったり、保護者からクレームが入っていたダルダルの授業も、生き生きとしたものに変化。そして、欲が出て調子に乗った4人は、血中アルコール濃度を引き上げてみることにします。その先に待っていたものとは……?

▼血中アルコール濃度0.05%とはどのくらい?酔いの程度を判定!
0.02~0.05%で「爽快」、0.05~0.10%で「ほろ酔い」に。
https://www.suntory.co.jp/arp/alcohol_calculation/



デンマークとアルコールの関係性。
狂ったように飲む母国に一石を投じる。


アルコールに対して寛容なイメージを受けるデンマークですが、国内でも、お酒に対する人々のモラルが上昇しているのだとか。しかし、ヴィンターベア監督は、それは表面的な部分であり、あたかも理性を保っているフリをしながら、狂ったように飲みまくっている人たちが大多数であることを指摘したいという思いが沸き上がり、8年前、この作品の骨組みが作られたといいます。

デンマークでは、ビールやワインなど、アルコール度数が16.5%以下のお酒は16歳から店頭で購入ができます。16.5%以上のお酒の購入と、レストランやバーで飲酒できるのは18歳から。しかし、これはあくまでも購入可能な年齢とアルコールを提供する店でのことであり、法的に飲酒に対する年齢制限はないとのこと。たとえば、16歳以下でも、家にあるお酒を口にすることは法律違反にはならないのだそう。



とにかく飲むシーンが多い作品なのですが、酔っぱらった姿は全て演技。撮影現場での飲酒は完全NG。また、酔っぱらった演技の際に、フラフラして壁に激突してもケガをしないよう、服の下に肩パッドなどのプロテクターを忍ばせておいたり、目薬で目を充血させ、飲酒している人に見えるようにするといった役作りをしたようです。このあたりも、じっくりと劇場でチェックしてみると面白いかもしれません。


トマス・ヴィンターベア監督

撮影中に愛娘を亡くした監督。
「生きること」について考える映画に。


実はこの映画の撮影は、トマス・ヴィンターベア監督にとって、非常に残酷で苦しいものになりました。撮影開始から4日目に、19歳の娘のアイダを交通事故で亡くしてしまったのです。彼女は、マッツの娘役で映画デビューを果たす予定でした。出演を楽しみにしており、いろんなアイデアを提案していた愛娘のためにも、監督は、「なんとしても映画を完成させたい」と自らを奮い立たせたそうです。


学校のシーンは、ヴィンターベア監督の亡き娘アイダの母校で撮影されました。スクリーンに登場する生徒たちは、アイダの実際のクラスメート。


映画のハイライトを飾るマッツのダンスは、この作品の最大の見どころ。マッツは俳優になる前に、約10年間、プロダンサーとして活動していたという経歴があるのですが、今回、バレエカンパニーを辞めて以来、全く踊っていなかったマッツの貴重なダンスシーンがあります。作品の象徴的なシーンとなるエネルギッシュなダンスは、代役を立てず、一人で踊りきっています。

皮肉やユーモアを効かせつつ、単なる飲んだくれによる飲酒話ではなく、本当の意味で、「生きること」や「生きていること」にも目を向けて描かれた作品になっています。

『アナザーラウンド』は、9月3日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国順次公開!



アナザーラウンド

監督:トマス・ヴィンターベア
脚本:トマス・ヴィンターベア&トビアス・リンホルム
出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、マリア・ボネヴィー 他
2020年/デンマーク・スウェーデン・オランダ/117分/PG12/英題:ANOTHER ROUND
配給:クロックワークス
http://anotherround-movie.com

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2021年9月3日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国順次公開



(2021年08月12日更新)
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