HOME > What’s New > 2020年 > 2020年09月13日

【映画】今年はオンライン開催!北欧作品は?SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020(9/26-10/4)




 国内外の若手映像作家たちの作品を発表し、才能を発掘する場、そして作家活動を後押しする映画祭として毎年開催されている「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020」。今年で17回目を迎える同映画祭は、例年7月に埼玉県川口市で行われていますが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、すべてオンラインで上映されることになりました。

開催以来、初となるオンラインでの試み!
遠方の人にも楽しんでもらいたい!


先日オンラインで開催されたラインナップ発表会では、上映予定の全ノミネート作品が発表されました。長編映画3本目までの監督作品に限定した国際コンペティション(長編のみ)は、今年も様々なジャンルの10本が顔を揃え、国内コンペティション部門の長編作品5本、短編作品9本と共に、映画祭を盛り上げます。国際コンペティション部門の応募本数は883本で、応募総数は1169本。過去最多となる106の国と地域からの応募がありました。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭ディレクターの土川 勉氏は、国内外の若き映像作家たちの作品を積極的に発表する場であり、かつその才能を発掘し、その後の作家活動を後押ししていくことも同映画祭の使命。この状況下の中で、コロナ禍の影響を最大限受けない形で発表できる場として、配信による映画祭の開催を選んだとオンライン開催に至った経緯を話しています。

大野元裕県知事は、「新型コロナウイルスの影響を受け、オンライン開催となったが、視聴者が参加できる観客賞もある。ノミネート作品24本を楽しんでもらいたい」と挨拶。

川口市の奥ノ木信夫市長もまた、「2004年の開催以来、初めてのオンライン開催。これまでに会場に見に来たことのない人も、オンライン配信なら見ることができるチャンス。ぜひ多くの方に見てもらえたら」と、初のオンライン上映という機会に、これまでに会場に足を運びにくかった人にも見てもらいたいとの想いを話しました。

審査委員長は、フランス在住の映画プロデューサー、澤田正道氏が務めます。「独特の個性を維持しながら映画祭を続けるのは並大抵なことではない。川口市から世界に羽ばたく才能、作品に出会えることが楽しみ」と、映画祭への期待と共に、審査委員長として招待されたことに感謝の言葉を述べました。



毎年1~2作品の北欧作品が国際コンペティション部門でノミネートされている同映画祭。今年はなんと、10本中3本が北欧の作品!

ジャパンプレミアとなるスウェーデンのシニカルなコメディ『カムバック』をはじめ、アジアンプレミアとなるスウェーデン・ノルウェー合作ドラマ『願い』、デンマークの戦場カメラマンを追ったデンマーク・フィンランド合作のドキュメンタリー『戦場カメラマン ヤン・グラルップの記録』と、北欧映画ファンにはたまらないラインナップになっています。

それでは、国際コンペティション部門にノミネートされた3本の北欧映画をご紹介!




©Gustav Danielsson

■『カムバックジャパン・プレミア
2020年/スウェーデン/93分/The Comeback
監督:パトリック・エークルンド

<ストーリー>
かつて将来を嘱望されるバドミントン選手だったアン=ブリットだが、1983年、スウェーデン選手権決勝の試合に敗れた瞬間から彼女の人生が狂い始める。その敗戦が審判のミスジャッジによるものだと確信している彼女にとって、35年が経った現在でもその記憶は忘れ難く、決して許すことのできないトラウマとなっていた。

アン=ブリットを演じる主演のアンキ・ラーションは、話題作『ミッドサマー』(19)にも脇役で出演する名バイプレーヤー。本作では主演として体当たりの演技を見せています。また、ダメ息子マティアスは、『サーミの血』(16)、『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』(19)をはじめ、映画、TV を問わず活躍するオッレ・サッリが演じています。




©Manuel Claro

■『願いアジアン・プレミア
2019年/ノルウェー、スウェーデン/125分/Hope
※視聴回数制限のある作品(1000回)監督:マリア・セーダル

<ストーリー>
6人の子どもに囲まれて暮らすアンニャとトーマス。二人の関係は、長い年月の中で互いに独立し、成熟したものとなっていた。そんな中、振付を務めたダンスがツアーで成功を収め、自宅へと戻ったアンニャは、クリスマス前日、末期の脳腫瘍の診断を受ける。二人は突然、それまで直視してこなかった「関係の脆さ」という現実に直面。事実婚の夫婦が向き合う試練とその先にある希望を、マリア・セーダル監督が自身の体験を元に精緻に描いた。


マリア・セーダル監督

実に9年ぶりの作品となるマリア・セーダル監督待望の復帰作。ベルリン国際映画祭で登壇され、元気な姿が目撃されています。主演のアンドレア・ブライン・フーヴィグは、演劇、映画、TVをはじめ、歌手としても活躍する多才な女優。昨年の東京国際映画祭で上映されたノルウェー映画『ディスコ』にも出演しています。また、ハリウッドでも活躍、スウェーデンを代表する俳優ステラン・スカルスガルドが夫トーマスを演じています。




©Good Company Pictures

■『戦場カメラマン ヤン・グラルップの記録ジャパン・プレミア
2019年/デンマーク、フィンランド/78分/Photographer of War
監督:ボリス・B・ベアトラム

<ストーリー>
戦場カメラマンのヤン・グラルップは、イラクのモスルで「イスラム国」制圧を進めるイラク軍と行動を共にし、世界中の人々にその現状を伝えるため写真を撮り続けている。一方、コペンハーゲンの自宅に戻ると4人の子育てに奮闘するシングル・ファーザーでもある。常に命の危険と隣合わせの彼に、「普通」の家庭を築くことはできるのか?戦場と家庭、両面の彼に迫る渾身のドキュメンタリー。

世界的に著名な戦場カメラマン、ヤン・グラルップ。ヤン・グラルップは、世界を代表するフォトジャーナリストで、ライフワークとなる戦場写真だけでなく、災害被災地での写真においても、世界報道写真展、ユニセフ写真展、ライカ・オスカー・バルナックアワードなど、数多くの賞を受賞しています。



応募のあった作品については1月より募集しているため、コロナに関する内容の作品はなく、特にコロナの影響は見られない模様。また、例年行われていた監督や関係者のQ&Aについては、現在調整中とのことです。

いつも真夏に行われているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。オンライン開催という新しい試みで、色んな場所から見ることができるため、気になっていた人にはまたとないチャンス。また、若い作家たちからは、発表の場を作ってもらえて嬉しいと感謝の言葉が上がったとか。

観客賞は、会期中の観客投票により決定する賞(投票は10/3迄)。この機会に、映画祭に参加してみてはいかがでしょう!(ちなみに、視聴回数は審査には影響しないとのことです)

国際コンペティション部門には北欧3作品、日本からも1作品がノミネート。果たして、栄冠はどの作品に?

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020
期間:2020年9月26日(土)~10月4日(日)
上映:動画配信サイト「シネマディスカバリーズ」で配信
視聴料金:
①単品購入プラン
国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門):1作品 300円(税込)
国内コンペティション(短編部門):1作品 100円(税込)②SKIPシティ映画祭フリーパス(見放題プラン)1,480円(税込)
※観客賞は、作品視聴後の画面に表示されるフォームより投票(投票期限:10/3(土)14:00迄)
※『願い』を含む5作品は、視聴回数制限あり(各1000回)
▼作品、スケジュール、視聴方法など詳細はこちら!
https://www.skipcity-dcf.jp/


(2020年09月13日更新)
このページの先頭へ