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【デザイン】「食」「灯」「自然」×北欧デザイン、キーワードから探る心地よい暮らし



遠出を控え、近場で過ごす人が多い2020年の夏。また、猛暑もあり、コロナと熱中症というダブルパンチの危険性もあることから、春同様、室内で過ごす方も多いと思います。

おうち時間をとことんハッピーに!家で過ごす時間が増えた今、「居心地の良い暮らし」や「幸せな生き方」とは何か。家と向き合う“おうち時間”の過ごし方が注目されています。

この春から、おうちでじっくりと時間のある状態だったということもあり、前から気になっていた北欧デザインを手に入れるきっかけとなったり、また、コロナの影響で気軽に家族や友人を訪ねることができない人も、素敵な贈り物として気持ちを伝えることがあったかもしれません。

少し前にアップした記事「北欧の人々の生き方や考え方が詰まったデンマーク・デザイン」では、厳しい環境下でも、幸福度で常にトップをキープする北欧の人々の生き方や考え方が詰まったデザインを紹介しました。

人の心を癒し、暮らしをハッピーに豊かにしてくれるグッドデザイン。今回は、デンマーク・デザインを代表して、陶磁器ブランド「Kähler(ケーラー)」が登場。今年の秋冬の新アイテムを通じて、「灯」「食」「自然」の3つのキーワードから心地よい暮らしを探ってみました。



■「食」をもっと楽しく
URSULA(ウワスラ)

毎日食卓にあがる器。不思議なことにちょっと変えるだけで、気分も食卓も、料理の腕まで上がってしまう(ように見える?!)テーブルウェアは、暮らしの中で意外と深いお付き合いになります。

数々の賞を受賞し、国際的に高く評価されている陶芸家のウワスラ・ミュンヒ・ペーターセンが手がけた「ウワスラ」シリーズは、なんといっても色がポイント。大胆な原色でありながら、ダークグリーンやイエロー、レンガの道や大地を思わす黄みがかった赤のオーカーなど、すっと受け入れられる素朴な色調が特徴的。

ウワスラの出発点はロイヤルコペンハーゲン。1991年発表当時のオリジナルモデルに近づけるために、2020年秋、改良したモデルがケーラーから登場します。カラーバリエーションを増やし、デザイナーの意向で器の内側を白に。シリーズのコアと言われ、存在感を放つダークグリーンも仲間入り。オーバルプレートやボウルには、小さめサイズの日本限定も。


オーバルプレート×ボウルの組み合わせが素敵。キレイなグリーンも新鮮。


オーバルプレートとボウルの組み合わせが斬新。プレートはボウルの蓋として利用することもできる上に、スタッキングも出来てしまう優れもの。見た目も美しい!

ラップやプラスチック容器を使う必要がないため、エコでサステナブルな器といえるでしょう。ウワスラさんは、30年も前からそういったことを意識してデザインをしていたそうです。こういったストーリーも魅力的ですね。

Kähler「URSULA(ウワスラ)」
オーバルプレート、ボウル、マグ、カップ、ジャグ
※色は、ダークグリーン、ホワイト、イエロー、オーカー、コバルトブルー等


【デザイン:Ursula Munch-Petersen(ウワスラ・ミュンヒ・ペーターセン)】
陶芸家の家柄に生まれ、4代目にあたる。数々の受賞歴があり、国際的に高く評価されている。1988年、デンマーク芸術財団の奨学生に選出。1991年、ウワスラシリーズを発表。ロンドンのビクトリア&アルバート博物館で数々の作品が展示されている。ウワスラ(ursula)はラテン語で「小さなメス熊」という意味から、彼女の作品にはかわいいクマのロゴが印字されている。



■「灯」で癒される
URBANIA(アーバニア)

世界の街並みと風景をイメージして作られたキャンドルホルダー「アーバニア」シリーズ。都市や街を意味する英語の“Urban”が語源となっているアーバニアは2012年に誕生。これまでは、教会や建物といった、特定しないざっくりとしたものがモチーフでしたが、この秋は、デンマーク人に愛される遊園地「チボリ公園」の門をあしらったデザインが登場します。



遊園地「チボリ公園」の門(右)をあしらったデザインに注目!


キャンドルを灯すと、窓から優しい光が漏れ、幻想的な夜の街並みのような雰囲気が楽しめます。例えば、室内のどこかに、自分だけの小さな街を作って、ゆっくりと流れる時間に身を任せてみる。静かなBGMをかけたり、瞑想を楽しんでみるのもいいですね。

ちなみに、アーバニアのたくさんの窓は、職人が丁寧にひとつずつ切り進めて完成しているのだそう。素朴で手の温もりを感じる仕上がりが特徴です。

Kähler「URBANIA(アーバニア)」※今年から裏に製作年が入る。
アーバニア ライトハウス 「タウンハウス」(上画像左)※裏には2020年のバックスタンプ入り。
アーバニア ライトハウス 「チボリ」(数量限定)(上画像右)


【デザイン:Bache & Bendix Becker(バッヘ&ベンディクス・ベッカー)】
1996年にデンマークデザインスクールを卒業したメッテ・バッヘ(左)とバーバラ・ベンディクス・ベッカー(右)は、デザインデュオのR7B Copenhagenを結成。陶器に無限の可能性を感じた二人は、現代的なデザインを通じて古いものに新たな命を吹き込み、再解釈を加えることに情熱を持って取り組んでいる。ケーラーで手がけた作品はアーバニア、ノビリ、ボタニカがある。



■「自然」と寄り添う
OMAGGIO(オマジオ)

2007年に登場したオマジオは、今やケーラーの代名詞的存在。シンプルなフォルムに手描きのボーダーラインが特徴の花瓶です。職人の技術の高さが伺える真っ直ぐに描かれた線ですが、手描きならではの濃淡の色合いや優しい発色により、温もりをもたらしています。

ポップな印象が強いオマジオですが、伝統的な作品から現代風にアレンジされたものなのだとか。ケーラーの長い歴史の中で培ってきた伝統工芸とクラフトマンシップを称え、イタリア語で「称賛」を意味する「オマジオ」と名づけられました。

実は、ステイホーム期間中、生活を彩るフラワーベースは特に人気だったそう。草花をちょこんと挿すようなミニサイズから、ボリューム感のある大きさまで揃っている上に、カラーバリエーションも豊富。

おうち時間でなかなか外で自然に触れ合いにくかった分、自然が恋しかった分、お部屋にちょっとしたお花やグリーンを飾ることは、ごく自然な流れだったかもしれません。


新色のマスタードとラベンダー。カラーバリエーションが豊富なのもオマジオの魅力。


2020年秋は、数量限定の新色マスタードとラベンダーが仲間入り。ハチミツのような温もりを感じるマスタードカラーは、秋には秋色の花や枝もの、ドライフラワーもおすすめ。また、フェミニンだけど甘すぎないラベンダーカラーは、淡いトーンの花から、濃いパープルやイエローの花、たっぷりのグリーンを活けても相性が良く、上品で柔らかい雰囲気を生み出します。

Kähler「OMAGGIO(オマジオ)」
オマジオ ベース マスタード、ラベンダー


【デザイン:Stilleben(スティルレーベン)】
ディテ・レクウェグ(左)とイエレーナ・ノーデントフト(右)の2人組によって2002年に誕生したデザインユニット。共にデンマーク王立美術学院でガラス工芸と陶芸を学ぶ。デンマークを代表するデザインブランドにデザインを提供する傍ら、オリジナル商品や独自の視点で選んだアイテムを集めたショップも運営。海外メディアからも注目される2人は、2017年に建築家のディトリウ・ラーベクと「スティルレーベン アーキテクツ」をスタートし、キッチンや家具も手がけている。

▼個性あふれるアイテムたちもご紹介!



●HAMMERSHØI CHRISTMAS(ハンマースホイ クリスマス)
デンマークの多くの家庭で愛用される「ハンマースホイ」は、美しい溝が特徴のテーブルウェア。ケーラーの発展に寄与してきた芸術家スベン・ハンマースホイの作品からインスピレーションを受けてデザインされ、伝統と現代が見事に融合したシリーズ。

今年のクリスマスコレクションは、水彩画の装飾で、素朴で愛らしい伝統的なクリスマスを表現。統一感のある色彩は、北欧のインテリアトレンドであるボタニカルやアースといった自然の色調や質感にも合わせやすくなっています。

Kähler「Hammershøi Christmas(ハンマースホイ クリスマス)」
マグ、ディッシュ、ボウル、ベース、オーナメント

【イラスト:Rikke Jacobsen(リッケ・ヤコブセン)】
デンマークの水彩画家。自然や動物、人をモチーフに、詩情あふれるタッチで描く。水彩絵の具を駆使した、繊細で透明感のある独特の色調が特徴。現実的な表現の中に、自然な形で幻想的な要素が含まれるマジカル・リアリズムと呼ばれる手法が使われている。



●RELIEF(レリーフ)
歴史的な芸術作品からインスピーションを受けて作られたレリーフ。形、表面、線、空間的ギャップなど、自然の中に見られるものを落とし込んで表現。描いた線を抽象的なグラフィックにすることでアートへと昇華させました。

陶板のデザインは4種。それぞれわずかに不規則な形をしており、盛り上がった部分は光の当たり方によって影を作ります。置く場所によって色んな表情に変化するユニークな作品。コバルトブルーでハンドペイントされたモチーフの淵と、陶板全体の白さとのコントラストが美しい作品。


Kähler「RELIEF(レリーフ)」
デザイン:(上画像左から)フラワー、ストーク、クラウン、リーフ
陶器(ハンドペイント)

【デザイン: MATHIAS MALLING MORTENSEN(マティアス・マリング・モーテンセン)】
2013年、デンマークのメディア・ジャーナリズムスクールを卒業。芸術に興味を持ったきっかけは、幼少期の家に飾られていた、画家で祖父のリチャード・モーテンセンの作品。これまでに本のイラストやグラフィック、ポスターアート、映像、CDジャケットのデザイン等を手がけており、コペンハーゲンのギャラリーやプライベートコレクションにも収蔵されている。

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問い合わせ:㈱スキャンデックス


(2020年08月21日更新)
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