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【展覧会レポート】「リサ・ラーソン展 創作と出会いをめぐる旅」、東京・松屋銀座を皮切りに全国を巡回



(左から)リアン・デザイン・ミュージアム館長 ルーヴェ・イョンソン氏、リサ・ラーソン氏の長女ヨハンナ・ラーソン氏、駐日スウェーデン大使館公使参事官のレーナ・フォン・シドー氏、リサ・ラーソン氏の長男マティアス・ラーソン氏、株式会社松屋本店コンテンツ事業部担当GM鈴木健寛氏



スウェーデンを代表する陶芸家、リサ・ラーソンの展覧会「リサ・ラーソン展 創作と出会いをめぐる旅」が松屋銀座にてスタート!リサ・ラーソン展は過去に2回開催され、前回の2017年は松屋銀座を皮切りに全国7会場を巡回。観覧動員数が延べ15万人以上を記録するなど、話題を呼んだリサ・ラーソンの展覧会が再び松屋銀座にやってきました。

10代の頃に制作した絵画作品や彫刻、初期の作品、70年に家族で1年間過ごした米・カリフォルニア時代に影響を受けて制作した作品から、近年の代表作など約200点や、創作にあたり影響を受けた巨匠スティグ・リンドベリをはじめとする作家たちの作品約20点など、圧巻の展示数でリサ・ラーソンの新たな魅力を感じる内容となっています。記事では、2月23日に開催されたオープニングセレモニーと展覧会会場の模様をお届けします。



リサ・ラーソンのアトリエから予期せぬ掘り出し物!?

家族以外に披露されることがなかった貴重なものも披露

オープニングセレモニーでは、駐日スウェーデン大使館のレーナ・フォン・シドー公使参事官が、「60年代や70年代、多くのスウェーデン家庭で目にしていたリサさんの作品。数年ほど前までは、街のアンティークショップで簡単に見つけることができたのに、今日、彼女のアートは希少価値となりました」と、リサさん人気に言及。

また、リサさんの作品の魅力を、「日本の伝統工芸ではあまり見られないような、遊び心やキュートな一面がリサさんの作品には見られるからではないか」とも付け加えました。

リサ・ラーソン長男のマティアス・ラーソン氏と共に、今回の展覧会のキュレーションを務めたリアン・デザイン・ミュージアム館長のルーヴェ・イョンソン氏は、「彼女の世界は味わい深く、複雑。そして物語があり、ディテールがあります。その多くがまだ未公開。今回初めて、リサさんの仲間のアーティストたちの作品もセレクトし、リサさんもそれに賛同してくれました」と、本展はこれまでにない展覧会だとアピール。

「リサさんの師匠、同僚、個人的な友人による陶芸、絵画、彫刻を一緒に見ることができます。さらに、1940年代に手がけたティーン時代の作品も。これまでにリサさんの家族以外に披露されることがなかったものです」と、大変貴重な機会を、日本のファンへ届けてくれました。

最後に、リサ・ラーソンの長女でグラフィックデザイナーのヨハンナ・ラーソン氏は、「日本のファンの皆さんには、母の仕事に大きな興味を持ってもらい、母は嬉しく思うと同時に驚いています。素晴らしい陶芸や伝統工芸を生み出す日本から高く評価を受けていることに嬉しく思っています」と、リサさんの気持ちを代弁。日本のファンをはじめ関係者に、感謝の気持ちを述べました。

今回、リサさんの“隠し場所”ともいえるアトリエから、予期せぬ掘り出しものをたくさん見つけてくれたのは弟のマティアスさん。代表作から非常にプライベートなものまで、「母リサが生きた時代を旅する機会を、本展を通じて楽しんでもらえたら」とヨハンナさん。

ちなみに、ヨハンナさんは、展覧会公式図録のグラフィックデザインを担当。会場エントランスもヨハンナさんがデザインしたグラフィックデザインが使われています。

想像力豊かな作品の背景にはどんな出会いが?
注目したい3つのポイント



①幼少期、祖父母の家で
特に今回貴重だと思われるのが、彼女の幼少期の作品たち。14歳の時にリサが丁寧に描いた祖父母の家の絵や、木を彫り出して彩色した人物フィギュアからは、当時からすでに持ち合わせていた観察眼やセンスを感じることができます。大学の彫刻科の先生の目にも留まり、後に進学することになります。





②1年過ごしたアメリカ西海岸で

第4章の「アメリカでの1年」で並ぶ、夫のグンナルと特別生として陶芸を学んだ米・カリフォルニア州バークレー時代から影響を受けた新しい表現。ヒッピー文化をはじめ、メキシコや北米のフォークアートにインスパイアされ、カラフルな木製の鳥や金を彩色するなど、これまでにない自由で大胆な表現に喜びを感じます。このようなネオンカラーは当時スウェーデンにはなく、カリフォルニアで購入したものだとか。



➂初めて訪れた日本で

1950年代から1960年代にかけて、ストックホルムのNKデパートで陶芸家、濱田庄司氏とその弟子たちの作品展が開催され、大きな賞賛を受けた濱田氏。1970年の大阪万博で初めて来日したリサは、グスタフスベリ社の同僚たちと益子に住む濱田氏の家を訪ねました。その時に濱田氏から贈られた大皿も展示されています。

<展覧会会場より>
リサ・ラーソンが創作において影響を受けた文化や、作家たちとの出会いによって培われた作品をお見逃しなく!









<リサ・ラーソンショップより>
新作や本展だけのスペシャルグッズが大集合!(前回同様)取材を終えたときには、ずら~りと長蛇の列が!見ごたえたっぷり。初上陸のスウェーデン産ワインとのコラボで本展限定ラベルのボトルも。






先行販売 青い海のヨナ(スウェーデン製) 19,800円(税込)

日本初上陸のスウェーデン産ワイン!ワイナリー「クラベリス・ヴィンゴード」第1弾の白ワイン「Immelen(イメルン)2018」(750ml)。とっても香りが良くてフルーティー!優しさの中にも、しっかりとコクを感じられる白ワイン。展覧会オリジナルラベルで50本限定発売。8,800円(税込)

ⓒ Lisa Larson ⓒ Tonkachi



リサ・ラーソン展 創作と出会いをめぐる旅
会期:2020年2月23日(祝・日)~3月4日(水)10~20時
入場は閉場の30分前まで。最終日は17時閉場。※閉場時間は変更になる場合あり
※時間変更のお知らせ:3月3日(火)は19時まで。3月4日(水)は、11時~17時(最終日のため、17時閉場)
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
特設サイト:https://lisa-ten.jp/

<巡回先(予定)>
滋賀県立陶芸の森 陶芸館(滋賀) 2020年3月21日(土)~5月31日(日)
いわき市立美術館(福島) 2020年7月18日(土)~8月30日(日)
北海道立函館美術館(北海道) 2020年10月3日(土)~11月29日(日)
※約2年間で全国を巡回予定

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ⓒ Lisa Larson




(2020年03月04日更新)
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