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【展覧会レポート】人々の暮らしを彩る有機的なデザインの秘密を探る!アルヴァ・アアルト回顧展(葉山11/25迄)




フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトの本格的な回顧展「アルヴァ・アアルト ‐ もうひとつの自然」が、9月15日より、神奈川県立近代美術館 葉山にてスタートしました。本展は、2014年9月にドイツのヴァイルアムラインのヴィトラデザインミュージアムを皮切りに、ヨーロッパを巡回。世界を巡る国際巡回展として日本に上陸。日本では約20年ぶりの本格的なアアルトの回顧展となります。

オープン前日の9月14日に行われた、アルテックとイッタラによるメディアプレビューに参加してきましたので、その模様をお届けします。



この日、初の公式の場に登場したペッカ・オルパナ新フィンランド大使より挨拶がありました。敬愛するアアルトの展覧会の場に参加できて光栄だと話し、「フィンランド人は常に彼の家具やガラス製品に囲まれて過ごしています。アアルトはフィンランド人の精神を示しています」と、アアルトはフィンランドの人々の暮らしに密着していると強調。大使が約35年前に購入したアアルトのワゴン(ティートロリー)について、「今でも健在。素晴らしい投資だった」と自身のエピソードを披露してくれました。

プレビューは、ヴィトラ&アルテックオフィスに集合し、バスで葉山に向かいました。ちょっとした校外学習、または遠足のようで、終始ワクワク。



神奈川県立近代美術館 葉山に降り立つと、ふわりと香る山の緑や波の音が出迎えてくれました。ヴィトラデザインミュージアムのディレクター、マーク・ゼンツナー氏や神奈川県立近代美術館の水沢勉館長の挨拶の後、二手に分かれて、いよいよ会場へ!



まず足を踏み入れたのは、アルテック、イッタラのアルヴァ・アアルトがデザインした製品でスタイリングされた特設コーナー「アアルト ルーム」。高い天井に、窓からの素晴らしい眺望が楽しめるこちらのスペースでは、インテリアスタイリスト黒田美津子さん(Laboratoryy)によるスタイリングが施されています。エントランス、リビングルーム、ワークルーム、ティールームの4つでアアルトの部屋を表現。フォトスポットとして写真撮影も楽しめる空間になっています。



展示会場は、水沢館長が自ら案内してくれました。「フィンランドデザインというのは、日本と非常に親和性がある」と館長。フィンランドのデザイン史と世界のインテリアデザイン界の動きを交えて、わかりやすく解説してくれました。アアルトは、「有機的な形を合理的に作る方法を、いろんな人の技術を観察し、取り入れて工夫した人」であり、完璧でない曲線に、旨みや温もりを感じるフォルムで世界を魅了してきました。木をくり抜いて型を取って作られたというアアルトベースはフィンランドを象徴するデザインです。(木型の展示もあり)

会場では、当時の家具などで一室まるごと再現された代表作「パイミオのサナトリウム」、家具や照明器具、ガラス器、建築模型、図面まで、アアルトが歩んできたものづくりの功績や生涯に触れることができる貴重な内容。必見です。



パーティーでは、イッタラのアンナ・ヴァルティアイネン氏や、アルテックのマリアンネ・ゴーブル社長らが、オルパナ大使と共に、アルヴァ・アアルト展の日本開催、そして葉山会場でのスタートを祝いました。(なんと、アルヴァ・アアルトの孫にあたるご夫婦も来日されていました)

また、アルヴァ・アアルト生誕120周年記念商品として、日本限定で数量限定のイッタラのアルヴァ・アアルトコレクションより「トートバッグ」(11月初旬発売予定)や、同じくイッタラのアルヴァ・アアルトコレクションよりスペシャルカラーのサーモンピンクのアアルトベース「ベース95㎜」(12月初旬発売予定)などが登場。ミュージアムショップでは、こちらもイッタラのアルヴァ・アアルトコレクションより「ノート(下敷き付)」(ゴールド/ブルー)や、展覧会のキービジュアルを施した展覧会オリジナルクリアファイルも見かけました。展覧会オリジナルトートバッグも発売中。興味ある方はぜひチェックを!



葉山会場の後は、名古屋市美術館、東京ステーションギャラリー、青森県立美術館と、来年6月まで巡回。葉山会場へはちょっとした、贅沢な旅になること間違いなし。神奈川県立近代美術館 葉山での展覧会は11月25日まで開催中です。

回顧展「アルヴァ・アアルト – もうひとつの自然」
Alvar Aalto‐Second Nature

2018年9月15日~11月25日 神奈川県立近代美術館 葉山
2018年12月8日~2019年2月3日 名古屋市美術館
2019年2月16日~4月14日 東京ステーションギャラリー
2019年4月27日~6月23日 青森県立美術館

「アアルト ルーム / Aalto Room」with Artek & Iittala
期間:2018年9月15日(土)~11月25日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 第3展示室(海側)
※第2・3展示室の展覧会「アルヴァ・アアルト‐もうひとつの自然」の当日観覧券が必要です。(一般1,200円/20歳未満・学生1,050円/65歳以上600円/高校生100円)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)

<期間中のイベント・ワークショップ>
アルヴァ・アアルトと記念撮影/instagramフォトコンテスト
期間:2018年9月15日(土)~11月25日(日)
「アアルト ルーム / Aalto Room」では、アルテックのテーブルで作業するアルヴァ・アアルトのパネルの隣に座って記念撮影できます。また、好きな家具やコーディネイトを写真に撮って、「#alvaraaltosecondnature」のハッシュタグとともにinstagramに投稿すると、展覧会期間終了後、抽選で素敵なプレゼントがもらえるそうです。

自分だけのアアルト ルームをつくろう

期間:2018年9月15日(土)~11月25日(日)
※11月3日(祝)文化の日を除く
時間:9:30より当日分が無くなり次第終了
「アアルト ルーム / Aalto Room」内のワークショプスペースにて、ポストカードに「スツール60」や「41アームチェア パイミオ」、アアルトベースなどのシールを貼ってスタイリングするワークショップ。ポストカードは持ち帰りOK。子どもから大人まで自由に参加できます。



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(2018年10月16日更新)
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